
こちらの記事では、「これから不動産取引を始めたいけれど、何からどうすれば良いか分からない」という初心者の方のために、不動産購入・売却の基本的な流れ、知っておくべき費用や税金、そして取引を安全に進めるためのポイントを、分かりやすくシリーズ化して解説しています。
不動産取引に関する基礎知識を体系的に学び、漠然とした不安を解消し、自信を持って次の具体的なステップへ進むための確かな土台を築くことができるはずです。
私たちデュアルライフは、お客様一人ひとりのご状況やご希望に真摯に寄り添い、最適なアドバイスときめ細やかなサポートを提供することをお約束いたします。
基礎知識を習得された後、「もっと詳しく知りたい」「自分の場合はどうなるの?」「具体的な物件について相談したい」といったご要望があれば、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
この記事があなたの不動産取引を成功に導くための羅針盤となることを願っております。
さあ、一緒に不動産取引の第一歩を踏み出しましょう。
こちらの記事はシリーズものになります。
資金計画と希望条件が明確になり、情報収集で気になる物件が見つかったら、次は実際に物件を見て、購入の意思を固め、契約手続きへと進むステップです。
3-1. 内見(物件の見学)の重要性

インターネットや資料で見た物件情報だけでは、物件の全てを把握することはできません。実際に現地を訪れて「内見(ないけん)」をすることが、物件の「本当の姿」を知るための最も重要な機会です。
空間の体感
図面上の「〇帖」という広さや、天井の高さ、窓の配置などによって、実際に感じる空間の広さや開放感は大きく異なります。写真では伝わりにくい、物件の持つ雰囲気や空気感も現地でしか感じられません。家具を置いたイメージをしながら見て回りましょう。
日当たり・風通し
窓の向きや周辺の建物によって、時間帯ごとの日当たりや風の通り方は大きく変わります。可能であれば、日中や午後の時間帯に内見できると、より正確な日当たりを確認できます。
建物の状態の詳細確認
壁や床に目立つ傷や傾きはないか、雨漏りの跡がないか、水回り(キッチン、浴室、トイレ)の使用感や劣化状況はどうか、などを細かくチェックします。築年数が古い中古物件の場合は、特に建物の傷み具合や主要設備(給湯器、エアコンなど)の状態をよく確認しましょう。必要であれば、インスペクション(建物検査)の実施も検討します。
騒音・振動
交通量による騒音、近隣からの生活音、工場や店舗などからの騒音・振動がないか、窓を閉めた状態と開けた状態で確認してみましょう。
周辺環境の再確認
最寄りの駅やバス停からの実際の距離、通勤・通学ルート、周辺施設の有無と距離、夜間の雰囲気、治安などを改めて確認します。昼間と夜間で雰囲気が変わるエリアもあります。
共有部分(マンションの場合)
エントランス、廊下、階段、エレベーター、ゴミ置き場、駐輪場、駐車場などの管理状況を確認します。管理が行き届いているかは、マンション全体の維持管理や住み心地に大きく影響します。
内見時には、気になる点や分からない点を遠慮せず、同行している不動産会社の担当者に質問しましょう。疑問を解消することが、安心して購入判断をするために不可欠です。
3-2. 購入申込書(買付証明書)の提出
内見を経て「この物件を購入したい!」という強い意思が固まったら、買主様の正式な購入意思を売主様に伝えるために「不動産購入申込書」、または「買付証明書」を提出します。
この書類には、購入希望価格、契約希望日、引渡し希望日、住宅ローンの利用の有無など、買主様が希望する取引条件を記載します。
この申込書の提出をもって、売主様はあなたが真剣に購入を検討していることを認識し、他の買主候補者よりも優先的に交渉に応じてくれることが一般的です。
ただし、この時点ではまだ法的な拘束力はありません。
3-3. 売主様との条件交渉
提出された購入申込書の内容(特に希望価格や引渡し時期)に対して、売主様と交渉を行います。
売主様も、より良い条件で物件を売りたいと考えていますので、双方の希望を擦り合わせ、最終的な合意を目指します。
この交渉は、通常、不動産仲介会社が間に入って、お客様の意向を売主様へ伝え、調整を進めます。
3-4. 重要事項説明
売主様と買主様の間で取引条件について合意が得られ、売買契約の締結に進むことが決まったら、契約に先立ち「重要事項説明」が行われます。
これは、宅地建物取引業法で定められた、買主様を保護するための非常に重要な手続きです。
宅地建物取引士の資格を持つ者が、契約締結前に、購入予定の物件に関する重要事項(法令上の制限、私道に関する負担、インフラの整備状況、契約解除に関する事項、手付金以外の金銭の授受など)について、重要事項説明書という書面を用いて詳細に説明します。
この説明は、専門的な内容が多く含まれますが、あなたが契約内容を十分に理解し、納得した上で契約に臨めるようにするためのものです。
ここで説明される内容は、契約後のトラブルを防ぐためにも、必ず集中して聞き、重要事項説明書の内容と照らし合わせながら、疑問点や不明な点はその場で質問し、全てクリアにしてから次の契約締結に進むことが極めて重要です。
3-5. 不動産売買契約の締結
重要事項説明を十分に理解し、納得いただけましたら、いよいよ売主様と不動産売買契約を締結します。
不動産売買契約書には、物件の表示、売買代金、支払い方法、引渡し時期、所有権移転登記に関する事項、契約解除の条件、特約事項など、取引に関する重要な事項が詳細に明記されています。
契約書の内容は、重要事項説明と重複する部分もありますが、改めてご自身でもしっかりと確認することが大切です。
契約書に署名・捺印することで、法的な効力が発生し、売主様と買主様の双方に、契約内容に基づいた権利と義務が生じます。
契約締結時には、物件価格の一定割合(通常5%~10%程度)の手付金を売主様に支払うのが一般的です。
手付金は、契約の成立を示すとともに、安易な契約解除を防ぐ役割も持っています。手付金の金額や支払い方法についても、契約前に売主様との間で合意が必要です。